Angel call your name.

寝て起きたらサヨナラも言えなくなってしまうんじゃないかと思う。
お別れの言葉もいえないなんて悲しいじゃない。格好つかないじゃない。
きっと言いたかったんじゃないかなあ。ありがとう、とか、ごめんね、とか、さよなら、とか。
破裂した管が脳を侵して、もう二度と目が覚めないけれども生きているっていうのは向こう側？こちら側？
私の感じた『死ぬ』とは違う、曖昧な境界線の上の命。
一瞬で消えてなくなる闇の中に蒸発するように消えるんだと思った。もうそこから先は何も感じないし、苦しくない代わりに楽しくもないし音楽も色も全部無くて、あったとしても何も感じなくて、それがヤダとか空しいとかすら感じることはない、それが私が自殺を試みて感じた『死ぬ』だった。
今、おばは苦しいのかなあ。それとも、もう分からないのかな。
延命も、心臓を動かすことくらいしか出来ない。それでも生きることが幸せだと思う人間は、少ないと思う。
それでも今、その手はきっと温かいのよね。

大切な人が万が一出来て、もしこんな別れ方になってしまったら、自分はどうするのかなあ。
苦しんでいたら、多分どうしても逝かせてあげると思うんだ。自分の人生それで駄目になっても。
実際はどうだか知らないけれど。
まず、そんな存在いませんし。
・・・ああ、犬。犬は好きだ。うちの子に何かあったらムショに入ることができる。出てきても、一生死ぬまで苦しめる。間違いない。人間よりも動物がすきなのは昔から変わらないね。

人の死は人を強くする。
だからいい人から先に死んでいくんだ。残った人が、それでも生きて行けるように。
みんなから愛されるいい人は、『死』にも愛されている。


取り除かれた血溜まりを見れば涙がでるのかな。
それとも、もう。