全てが唯洩れている場所
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グワン!という珍妙な音にエヴァは顔を上げた。作り置きのミートソースの瓶を持ったまま振り替えれば椅子の上の少年が石になっていた。
「あらあら、大丈夫だった?バージル」
シンクにぶちまけられたパスタ。転がる圧力鍋。
「やっぱりちょっと無理だったのかしらね。後は母さんやるからダンテと遊んでていいわよ」
ギギギ、と軋んだ音がしそうな気がするほど機械的にバージルが振り返る。
「ごm「いいのよ」
ごめんなさい、を制して頭を撫でてやる。悪かったのはきっと私のほう。ごめんね、もうちょっと大きくなったらお願いするからね。
「いってらっしゃい。たぶんお庭にいるわ」
椅子から降り、律儀に元の位置まで戻してからバージルがキッチンを出ていく。
と思ったら戻ってきて腰にぎゅっとしがみ付いてきた。
「待っててね」
よほど悔しかったのだろう。
口を真一文字に結んでいる。
「…いってらっしゃいな」
背中をぽんぽんと叩いてやれば今度は振り向かないで駆けていった。
「あらあら」
うちの子は負けず嫌いね、ほんと。誰に似たんだろう?
(どっちも負けず嫌いだったから、どっちにも似たのね)
パスタを処分して窓の外を見る。
黒い異形の影が窓を横切って、蒼白になったエヴァはの双子の名を叫んだ。
※お父さんはセブンイレブンに競馬新聞を買いに行っていました。
***
お早ようございます!
の時間ではないですね。
横のテニサーの男子が臭いです。汗臭い。砂臭い。
例によって遅刻しそうです。靴がね…新しい靴ほしいです。今日の服にどの靴も合わない。
やばいなあ。嫌いな先生なのに前に座らされちゃう。
オメーの英語つまんねんだよッ!ペッ!
「あらあら、大丈夫だった?バージル」
シンクにぶちまけられたパスタ。転がる圧力鍋。
「やっぱりちょっと無理だったのかしらね。後は母さんやるからダンテと遊んでていいわよ」
ギギギ、と軋んだ音がしそうな気がするほど機械的にバージルが振り返る。
「ごm「いいのよ」
ごめんなさい、を制して頭を撫でてやる。悪かったのはきっと私のほう。ごめんね、もうちょっと大きくなったらお願いするからね。
「いってらっしゃい。たぶんお庭にいるわ」
椅子から降り、律儀に元の位置まで戻してからバージルがキッチンを出ていく。
と思ったら戻ってきて腰にぎゅっとしがみ付いてきた。
「待っててね」
よほど悔しかったのだろう。
口を真一文字に結んでいる。
「…いってらっしゃいな」
背中をぽんぽんと叩いてやれば今度は振り向かないで駆けていった。
「あらあら」
うちの子は負けず嫌いね、ほんと。誰に似たんだろう?
(どっちも負けず嫌いだったから、どっちにも似たのね)
パスタを処分して窓の外を見る。
黒い異形の影が窓を横切って、蒼白になったエヴァはの双子の名を叫んだ。
※お父さんはセブンイレブンに競馬新聞を買いに行っていました。
***
お早ようございます!
の時間ではないですね。
横のテニサーの男子が臭いです。汗臭い。砂臭い。
例によって遅刻しそうです。靴がね…新しい靴ほしいです。今日の服にどの靴も合わない。
やばいなあ。嫌いな先生なのに前に座らされちゃう。
オメーの英語つまんねんだよッ!ペッ!
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