血の問題

うちは母子関係に問題が生じやすい一族です。
祖母と母親はともすれば殺し合うんじゃねーの、と言うくらい仲が悪いです。
そして私と母親もバッチリ危険因子を持っています。
ともすれば殺されるんじゃねーの、と言うくらいに。
この問題が無ければ、私はあと何年かくらい実家で暮らしたいと思ってたと思う。
何だかんだで楽だからね。
でもたった一つ、母子関係の問題、それは本当に、警察沙汰になりかねない危険を孕んでいると、一族全員(母親と祖母以外)危惧するほどで。
それだけで、家族から距離を置いていかなければならない。
勿論、大の大人が自立してないなんて恥ずかしいことだってのもあるけどさ。
じいちゃんが死んだ今、些細なことで母子関係が母親と祖母のような険悪なものになる危険があると。
そんな理由も含めて配属と同時に家を出るつもりでいる事を父親に告げました。
当人は他の子みたいにいつまでも家において金入れたり愚痴に付き合わせたりする予定のようだけど。

うちは普通の家庭です。
普通の家庭でも、家族関係でも、駄目になる時はあるんだと分かりました。分かってたけどね。
結局血には抗えないのか。
ぽつりと父親が呟いた。
ごめんなさい。私の代で絶やすからね。私が家庭を作ったらきっと同じ事をしてしまう。同じように気違いになる時がくる。自分の子にシネと喚いて泣き叫んで、或いは刃物を振りかざしたり、殴り付けたりしてしまう。
持ち前の厳格さと冷酷さも合間って、最悪殺してしまうかもしれない。
ドラマや映画みたいに二時間くらいの修羅場で納まるものならよかったのにね。
現実は厳しいね。




いなくなっちゃいたい。
だからいなくなるんだけどね。
平淡になりたい。
なんにも感じなきゃなんにも思わない。
機械になりたいわ。